認知症2
認知症の種類と特徴
認知症は、認知機能の障害によって社会生活などが困難になる病気を総称したものです。 代表的な疾患がアルツハイマー型認知症ですが、他にも脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまな種類の症状があります。 日本では「アルツハイマー型認知症」、「脳血管性認知症」、「レビー小体型認知症」、「前頭側頭型認知症」が4大認知症と呼ばれています。*
4大認知症には、それぞれ特徴があり、その対処法なども異なります。 それぞれの種類と症状をしっかり把握しておく事が予防や進行を止める鍵になります。
*分類の方法によっては3大認知症と表現される場合もあります。
*これらは代表的な4つであり、その他にも認知症には様々な症状があります。
「アルツハイマー型認知症 とは?」
■症状と特徴
認知症の実に約50%がこのアルツハイマー型認知症と言われております。
もの忘れから気付くことが多く、今まで日常生活でできたことが少しずつできなくなっていきます。新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなるなどが特徴的です。また、物盗られ妄想や徘徊などの症状が出ることがあります。
また、このアルツハイマー型認知症は、男性より女性の方が発症率が高いとされるのも特徴です。
・記憶障害
アルツハイマー型認知症の代表的な症状が「記憶障害」です。
正常な人は、何か約束を忘れたとしても約束の内容を教えてもらえれば自分が忘れていたことを自覚することができます。しかしアルツハイマー病患者の場合は約束していたこと自体を思い出すことができません。
・判断力の低下
例えば、本を冷蔵庫の中にしまい、生ものを散らかすようになったり、夏なのに冬のように厚着をするなどの行動が見られます。
社会的なルールにおいても判断力が弱まり、人の敷地に勝手に入ったり、お金を払わずにお店から品物を持ち出すこともあります。
・見当識障害※1
「自分がおかれている状況の理解力」が衰え、日付や時間、今自分がいる場所が答えられないといった症状も見られます。
・その他
会話をしている相手が誰だか分からない、もしくは別の人間だと思うこともあります。
また、徘徊が始まり、誰かに自分の所有物を取られた「物盗られ妄想」などの症状、介護拒否などの態度を取ることがあります。
■アルツハイマー型認知症の原因
アルツハイマー型認知症患者の脳には、アミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まり、その結果正常な神経細胞が消滅することが病気の原因と考えられ、脳が萎縮している事が見受けられます。
アルツハイマー病の症状は、ある日突然深刻な状態で出ることもあり、周りの家族を混乱させます。患者の見当違いな言動に不快感や怒りを感じることもありますが、否定をせずに話を合わせる事が大切です。そして早めに専門医の診察を受けるようにして下さい。
現在は有効な薬も開発されており、病気の進行を止めたり、遅らせることができます。
■病状の進行状態
・初期症状は「もの忘れ」
アルツハイマー病は「もの忘れ」から始まり、慣れた言葉を思い出せなかったり、鍵の場所などが分からなくなるなどの症状が見られます。しかし、些細な事として本人も周りも気にとめず、病気の兆候を見逃してしまうことがあります。
・中期以降の症状は「判断力の低下」
記憶障害だけでなく、判断力の低下も見られるようになり、自分で計画を立てて行動することが困難になります。
また、見当識障害※1が見え始め、現在の日付・時間・場所が答えられなくなります。症状が進むとトイレも1人で使えなくなります。(使用後に水を流すといった手順も分からなくなるため)性格も変化し、被害妄想を抱いて家族に疑いの目を向けたり、徘徊などの行動を取ることもあります。
見当識障害※1
「今日は何月何日か」「ここはどこか」「自分は誰と話をしているか」などが認識できなくなる障害です。