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有床診療所

有床診療所と病院の違い

基本的に、病院とは入院設備がある医療機関で主に入院診療を担っており、診療所は入院設備のない医療機関のことで外来診療を担っています。海外では、これで間違いはないのですが、日本では有床診療所という独特の医療機関があります。通常、病院は20以上の病床を有し、2名以上の医師および既定の専門職を配置しなければなりません。それゆえ、病院ではより専門性の高い医療を提供することが求められています。有床診療所では医師1名がいれば19床以下の病床を持つことができ、同じ医師が外来と入院の診療を担当することがほとんどです。これは、戦後の入院施設の不足を補うために1948年に設置されたものですが、非常に効率のいい制度であり、日本の地域医療の質を維持するために大きな役割を果たしてきたと言えます。

有床診療所のメリット

最大のメリットは日常性にあるでしょう。「入院できるかかりつけ医」という言葉が表しているように、健診やかぜなどの日常的な病気から、高齢者の療養や介護、肺炎や虫垂炎などの感染症、慢性疾患の急変時など、入院対応が必要な事態にも気軽に相談ができます。さらに、当院のように手術や緩和ケアなど専門的な医療を担っている有床診療所も少なくありません。それと、意外に知られていませんが、病院に比べて有床診療所の入院費は安くなっています。診療の内容にもよりますが、保険診療の限度額内であれば、患者さんの負担は病院の6~7割程度で済むことになります。

有床診療所の全国の数

2017年2月現在、全国に7,500施設ありますが、1985年には26,000施設ありましたので30年間に3分の1以下に減少してていることになります。なぜこんなことになったのでしょうか?先ほど、「有床診療所の入院費が安くなっている」と述べましたが、まさにこれが原因です。入院費が安いということは、患者さんにとっては負担が減るのですが、診療所にとっては負担が大きくなります。現在、保険で規定されている入院報酬はビジネスホテルの宿泊料程度です。朝食付き一泊の料金と24時間看護・介護と3食付きの入院料が同じでは採算が取れないのが道理です。地域医療において有床診療所は大きな役割を果たしてきました。近年、国は「地域包括ケアシステム」という地域完結型の医療・介護の提供体制を目指していますが、その中で有床診療所の役割が見直されつつあります。

有床診療所の上手な利用方法

ご家族を含め健康に不安があるときはいつでも気軽にご相談ください。有床診療所のほとんどの医師は得意とする専門分野を持っていますが、かかりつけ医として幅広く様々な病気にも対応しています。当院の場合は、がんに関しては診断から治療(内科・外科とも)、緩和ケア、看取りに至るまで積極的に取り組んでおり、在宅医療にも力を入れています。勿論、かかりつけ医として、かぜや生活習慣病、ケガや腰痛症などの病気にも幅広く対応しています。かかりつけの患者さんには、病棟もありますので24時間対応する体制をとっていますが、初診の方の救急診療には対応しておりませんのでご了承ください。